洪水で家が傷んだとき、修理費が決まるまで待てる支出と、今日から必要になる支出がある。タイ政府が9月1日に原則承認した災害保険の構想は、この時間差に対応しようとしている。洪水ならまず1戸当たり1万バーツを払い、損害に応じた追加給付を含めて最大10万バーツ。政府が保険料を負担し、全国約3,000万戸を対象とする計画だ。1

狙いは、保険を自分で買っていない家計にも、被災直後に使えるお金と、一定額までの復旧費を届けることにある。政府は災害が起きる前に支払いの条件と相手を契約しておく。その効果は、保険会社への送金だけでは決まらない。被災した住宅の認定までを含めて、給付に必要な情報をどれだけ早くそろえられるかが重要になる。

2011年の大洪水後、タイは公的な再保険基金を設け、民間で保険を買える環境の回復を目指した。今回は政府自身が買い手になる。二つの仕組みを比べると、支援が家計に届く経路と、政府が引き受ける負担を具体的に説明できる。