タイで人工知能(AI)関連の工場投資が増えている、と聞くと、既存の電子部品企業にも広く追い風が吹いているように感じられる。
だが、7月8日に投資が承認された基板材料と、タイの有力基板メーカーがすでに売っている製品を並べると、異なる市場が見えてくる。韓国DoosanはAIインフラ向け材料の新工場を計画する一方、タイのKCE Electronicsは自動車向けを主力とし、2025年の製品売上高が前年比11.8%減少していた。123
二社は競合製品を同じ顧客に売っているわけではない。この違いを省いて「AI関連投資の増加」と「タイの電子産業の好況」を結び付けると、誰にどの需要が向かうのかを見失う。
今回の投資を、材料の役割、既存企業の顧客、量産までの時間という順で読んでみたい。