週末にバンコク周辺や東部で冠水が広がり、バンコクでは住宅地区の避難支援が行われた。都が所管する学校は月曜28日に休校となる。
経済では、9月25日発表の貿易統計に、電子機器や果物の輸出の伸びが表れている。22日に決まった10月からの買い物支援とともに、港湾整備や地域の物流の動きも取り上げる。
1|週末の冠水で、バンコク都の学校は月曜休校に
バンコク都は、都が所管する学校を28日月曜日に休校とする。民間校やインターナショナルスクールは、この通知の対象に含まれない。以下の雨・冠水の情報は27日夕方までに確認したもので、月曜朝の通行状況は含まない。
冠水した地域では、雨が弱まっても排水に時間がかかる。27日朝の都知事説明では主要運河の水位が高く、東部からチャオプラヤ川側へ水を送る対応が続いていた。ラートクラバン区のロムクラオ住宅地区では、住民の避難支援も報じられた。
気象局が27日17時に出した警報では、同日のバンコク周辺は雨が減るものの、一部で強い雨が続くとされた。東部などには、広い範囲の強い雨と局地的な非常に強い雨の予測が出ていた。
民間航空庁は26日、道路冠水や天候による空港への移動・運航への影響に注意を促した。空港閉鎖の発表ではない。工業団地周辺についても、道路の冠水と工場建屋・設備の浸水は分けて確認する必要がある。アマタナコンなどの状況と、2011年に工場の復旧が長引いた理由は、27日付の臨時レポートにまとめている。
出典: タイ気象局「大雨警報一覧」(第16号・232/2569、2026年9月27日17:00)、Thai PBS「主要運河の水位と都の排水対応」「ロムクラオ住宅地区の避難支援」(9月27日)、政府広報局掲載「都所管校の28日の休校通知」、CAAT「冠水・天候と空港への移動について」(ともに9月26日。資料はいずれもタイ語)
2|輸出は前年より2割超増加。電子機器と果物が支える
商務省が9月25日に発表した8月の輸出額は、前年同月比24.3%増の約346億ドルだった。前年を上回るのは26か月連続。石油関連品、金、軍需品を除いても19.5%増えている。
商務省によると、電子機器は海外でのAI関連設備の整備が需要を支えた。農産物では、南部で出荷期を迎えたドリアンやマンゴスチンなどの中国向け輸出が伸びた。工業製品の需要に、季節の果物の出荷増が重なっている。
輸入も25.1%増の約371億ドルとなり、輸出を上回った。輸出額から輸入額を引いた貿易収支は、約24.8億ドルの赤字だ。輸入品には生産に使う部品や原材料も含まれるため、今回の輸出増を国内企業の利益の伸びにそのまま置き換えることはできない。
出典: タイ商務省「2026年8月の輸出動向」(2026年9月25日、タイ語)
3|10月からの買い物支援、代金の6割を政府が負担
対象の商品を100バーツ買うと、利用者が40バーツを払い、政府が60バーツを補う。政府が9月22日に承認した「タイ・チュアイ・タイ・プラス」の追加支援は、登録店での買い物を通じて家計を支える仕組みだ。利用期間は10月1日〜11月30日となる。
政府の負担には、一日200バーツ、2か月を通じて一人合計1,000バーツという上限がある。利用には、制度の対象者が10月1〜15日に電子財布アプリ「パオタン」で参加を確認する手続きが必要だ。
店には利用者と政府の負担分を合わせた代金が入り、客は自分で払う額を抑えられる。登録店を通じて支援するため、家計への補助が店の売り上げにもつながる。
これとは別に、低所得者向けの福祉カードにも10月分の支援が加わる。購入枠を通常の300バーツから700バーツ上乗せし、合計1,000バーツとする。こちらはカードの対象者が使える枠を増やす措置で、代金の6割を政府が補う買い物支援とは分かれている。
出典: タイ政府「買い物補助の追加措置と福祉カードの購入枠拡充」(2026年9月22日、タイ語、財務省発表)
4|マプタプット港、埋め立てが完了。ガス施設の工事は続く
タイ東部ラヨーン県のマプタプット工業港では、港を広げる第3期事業の埋め立てと、船の航路などを掘り下げる工事が完了した。タイ工業団地公社(IEAT)が示した進捗を、25日にPrachachatが報じた。造成した土地は約160ヘクタールで、引き渡しの認証を受けている。
ここにガスを受け入れる施設を造る工事は、9月3日時点で約3分の1まで進んだ。土地の造成を終え、港の機能を整える工事が続く段階だ。第3期全体の投資額は554億バーツに上る。
事業の後半には、液体貨物やエネルギー関連事業のための区画もある。この部分は、官民連携事業からIEATの根拠法に基づく実施へ方式を変える案が、22日の閣議議題に載った。今回確認した資料では、その後の契約条件や供用日は確定できていない。
出典: IEAT「マプタプット工業港第3期などの整備状況」(公表日の表示なし、2026年9月27日参照)、Prachachat「IEATの港湾・工業団地整備の説明」(2026年9月25日)、タイ政府「9月22日の閣議議題」(2026年9月22日、タイ語、第20項)
そのほかのニュース
国境貿易は増加。カンボジアの輸入計上は航空便
商務省が26日に発表した8月の国境貿易は、隣接4か国との合計で前年同月比23.6%増だった。電子機器などが伸びたマレーシアとの取引は45.0%増。ミャンマーも18.2%増となり、12か月ぶりに前年を上回った。この集計には、隣国を通って中国など第三国へ向かう「通過貿易」は含まれない。
カンボジアからの輸入にも約3万3,000バーツが載ったが、内訳は航空便で届いた従業員の制服だった。受取地の国境にある税関で課税したため計上されたもので、陸路の商業貨物の往来が再開したことを示す数字ではない。
出典: タイ商務省「2026年8月の国境・通過貿易」(2026年9月26日、タイ語)
協同組合の物流拠点へ融資。倉庫・冷蔵輸送を支える
農産物を集め、選別し、温度を保って出荷する。そうした物流設備を協同組合が整えるために、政府は2027年度、5億バーツ超の融資枠を活用する計画だ。協同組合振興局が25日に説明した。
各地域に1〜2か所の主要配送拠点を育て、対象組合の倉庫や冷蔵車などを年利1〜3%の融資で支える。輸送費を下げるための運送業界との連携も協議しており、こちらの合意文書は準備中となっている。
出典: タイ政府「協同組合配送センターと物流支援」(2026年9月25日、タイ語)
道路などの問題をLINEで通報。窓口を全国の政府機関へ
道路や生活環境の問題を、LINEから写真と位置情報を添えて行政に知らせる。バンコクなどで使われている「Traffy Fondue」の仕組みを、全国の政府機関へ広げる方針が閣議で承認された。国立科学技術開発庁が23日に発表した。
報告を担当機関へ振り分け、対応状況を確認できる仕組みで、工業省も工場の操業に関する苦情の受け付けに採用している。今回の決定は各機関に活用の検討を求めるもので、全国の窓口が一斉に切り替わるわけではない。
出典: NSTDA「Traffy Fondueの政府共通サービスへの拡大」(2026年9月23日、タイ語)
木曜の「今週の分析」
タイ企業の借り換えは、投資信託とどうつながっているのか
9月25日に公表された研究解説は、タイ企業のお金の借り方と、貸し手となる投資信託の関係を取り上げている。利息を払えている企業でも、貸し手の都合で次の資金を借りられなくなる。この仕組みが、木曜版のテーマだ。
その具体的な事例として、投資信託からの資金流出が問題になった2020年のタイを振り返る。銀行の建設融資と証券による借入では、なぜ住宅の販売を待てる時間が違うのか。貸し手と借り手の両方に用意された当時の支援策も使い、企業の返済日と投資家への払い戻しの関係をたどる。
2026年10月1日(木) 07:00(タイ時間)公開予定
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