5〜6日は、バンコク周辺などで再び強い雨が予想されている。今週はこの予報に加え、機械投資が伸びた8月の景気、外国資本企業の情報共有、スタートアップ支援など、9つの動きをまとめた。
1|5〜6日はバンコク周辺などで、再び強い雨の予報
タイ気象局が10月4日17時に出した警報は、5〜6日の北部、中部(バンコクと周辺県を含む)、東部、南部北側で、雷雨・突風と局地的な大雨から非常に強い雨を予測している。東北部は、この期間には雨が減る見通しだ。
背景にあるのは、中国から張り出す高気圧と、タイ周辺に残る南西季節風の組み合わせ。警報では、鉄砲水、山地から流れ下る水、低地の浸水に注意を促している。7日は北部・中部の西側が主な対象となり、9〜13日は東部、中部(バンコクと周辺県を含む)、南部で雨が増え、局地的な強い雨が予想されている。
先週は、降った雨の排水にも追われた。灌漑局は1日、バンコクのクローンチャン住宅地区で、道路や駐車場などに約30センチの冠水があり、都と排水作業を続けていると発表した。当時は、同日の昼ごろまでに水が引くと見込んでいた。
一方、チャオプラヤ川の上流から来る水への対応も進んだ。灌漑局は9月30日夜、チャオプラヤ・ダムを通す水量を段階的に増やす方針を示した。今週の雨に加え、すでに降った雨が川や運河を通って移動する時間も、浸水が長引くかどうかに関わる。
移動前には、気象局の最新予報に加え、交通機関や学校など各機関の案内も確認したい。
出典: タイ気象局「大雨・荒天警報」(第7号・241/2569、2026年10月4日17:00)、灌漑局「クローンチャン住宅地区の排水対応」(10月1日)、「チャオプラヤ・ダムの放流調整」(9月30日。いずれもタイ語)
2|8月の景気は横ばい。機械への投資が伸びる
タイ中央銀行は9月30日、8月の景気を前月からおおむね横ばいと評価した。輸出は世界の電子機器・AI関連の需要に支えられ、高い水準を維持。国内では機械・設備への投資が増えた一方、製造業やサービスの生産活動は前月より弱まった。
前年の同じ月と比べた投資指標を見ると、その偏りが分かる。民間投資全体は21.8%増、うち機械・設備は32.4%増だったのに対し、建設は1.1%増にとどまる。中央銀行は、世界の技術関連需要とデータセンター投資を、機械・設備への支出が増えた背景に挙げている。
消費全体の指標は前年同月比3.7%増。自動車などの耐久財が17.2%増えた一方、日用品や燃料などの非耐久財は1.7%増だった。大きな買い物や設備投資の数字だけでは、普段の買い物の勢いはつかみにくい。
出典: タイ中央銀行「2026年8月の経済・金融情勢」「月次統計表」(9月30日、英語。統計表PDF1ページ。増減率はいずれも前年同月比)
3|外国人が関わる10万社超の情報を、43大使館へ
商務省事業開発局(DBD)は9月30日、外国人が役員を務める、または株主として参加する会社10万社超の情報を、タイにある43大使館へ送ったと発表した。対象となる国籍は48にわたる。
共有した情報は、外国人の持ち株比率が0.01〜49.99%、50〜99.99%、100%の三つの区分に分けている。外国人が過半数を持つ会社だけを調べた一覧ではなく、少数出資の会社も含まれている。
DBDは、タイ人の名義を借りて実際の出資関係を隠す「名義貸し」の防止・取り締まりを進めており、今回の情報共有もその取り組みの一環としている。ただし、対象となった会社が違法行為をしている、あるいは名義貸しに当たるという意味ではない、と明記した。
出典: タイ商務省事業開発局「外国人が関わる企業の情報を43大使館と共有」(発表377号、9月30日、タイ語)
4|スタートアップ10社へ、資金と実証の機会
産業振興局(DIPROM)とデルタ・エレクトロニクス(タイランド)は9月28日、スタートアップ支援事業の成果を発表した。今年は応募した105社から10社を選び、デルタが合計500万バーツの資金を支援する。
対象は、製造業の自動化やAI、気候・炭素管理、資源循環・エネルギー、高齢者・健康、農業・食品の五つの分野。衛星画像をAIで分析する技術、センサーなどとAIを使った酪農管理、植物の組織培養といった例が紹介された。
事業では、技術を使う可能性のある企業や機関と組み合わせ、実際の現場で役に立つかを試す。こうした試験を「PoC」と呼ぶ。技術が動くだけでなく、利用者が何を求め、どのような費用や使い方なら受け入れられるかを確かめ、製品の改善へ戻す狙いがある。
事業側は、こうした実証や事業化を通じて、1億5,000万バーツ超の経済価値が生まれると見込んでいる。
出典: タイ産業振興局「DIPROM × DELTA Angel Fund、10社への支援」(9月30日掲載、発表会は9月28日、タイ語)
そのほかのニュース
チャオプラヤ川の東側に、長期の排水路整備
政府は9月29日、チャオプラヤ川の東側に排水路を整備する事業を承認した。バンコクより北にあるチャイナート県で水を分け、パーサック川につながる運河と、その先のタイ湾への経路を強化する。実施期間は2027〜2034年。下流へ集中する水を減らす狙いがある。
灌漑局は、対象となる東側の経路の排水能力を、毎秒210立方メートルから930立方メートルへ広げるとしている。
出典: 政府広報局掲載・灌漑局発表「チャイナート―パーサック―タイ湾排水路事業」(9月30日)、灌漑局「取水口から海側の排水施設までの現地確認」(3月25日。いずれもタイ語)
会社登記は11月からオンラインへ一本化
事業開発局は9月30日、会社やパートナーシップ(組合型の事業体)の登記手続きを、11月1日から「DBD Biz Regist」のオンライン受付へ一本化すると発表した。会社は非公開の株式会社が対象で、設立だけでなく、登録内容の変更などの各種申請が含まれる。
同局によると、9月時点ですでに各種申請の95.80%がオンラインで行われている。利用者は申請から進捗確認、電子書類の受け取りまでを行え、窓口に出向く負担を減らせる。一方、これまで窓口を使ってきた事業者には手続きの切り替えが必要となるため、同局は操作案内と相談窓口を用意している。
出典: タイ商務省事業開発局「11月からの会社登記手続きのオンライン化」(発表376号、9月30日、タイ語。対象はห้างหุ้นส่วนとบริษัทจำกัด)
太陽光パネルに、安全性の強制基準を導入へ
政府は9月29日、結晶シリコン型の太陽光パネルに安全性の工業規格を義務付ける省令案を説明した。漏電、感電、異常な発熱や火災などを防ぐための試験を求め、製造・輸入と販売を管理する内容だ。
屋根への太陽光発電設備の設置を広げる政策と並行し、使われる機器の安全性をそろえる。すでに輸入された製品や設置途中の設備をどう扱うかについては、エネルギー規制当局から意見が出ており、産業省が検討するとしている。
出典: タイ政府の副報道官発表「太陽光パネルの安全規格を義務化する省令案」(9月29日、タイ語。対象は他の工業製品に組み込まれたパネルを除く)
学生向け融資の支払い継続へ、約12億バーツ
政府は9月29日、学生向け融資基金への約12億バーツの追加予算を承認した。学費や生活費として貸し出すお金が不足する恐れを受け、支払いを続けるための措置となる。
基金は政府の予算と借り手から戻る返済金を使って、新たな融資を行っている。しかし資金繰りの見通しでは、約14万2,000人への支払いに影響が出る可能性があった。今回の予算で、その不足を補う。
出典: タイ政府「9月29日の閣議概要」(PDF26〜27ページ)、政府広報局「学生向け融資基金の資金繰り支援」(9月30日。いずれもタイ語)
電子契約の手続きを明確にする法案を承認
政府は9月29日、電子取引法を全面的に見直す法案を承認した。紙に代えて電子的な取引を使いやすくするため、適用範囲を広げ、電子署名や法人の電子印などの扱いを明確にする。
紙での取引も引き続き選べる。個別の法律に特別な手続きがある場合は、その規定を優先する。今後はデジタル経済社会省の電子取引開発庁が、法案を成立させるための手続きを進める。
出典: タイ政府「9月29日の閣議概要・電子取引法案」(PDF3〜4ページ、タイ語)
木曜の「今週の分析」
タイのデータセンター投資は、もう建設需要になっているのか
巨額の投資計画は、どこまで現場の仕事になっているのか。タイの建設会社では、データセンター建設の売上が前年同期の約3.2倍に増えた。
木曜版では、その決算と、GULF・True IDCが2027年開業を目指す施設の工程を読み合わせる。顧客の確保状況、電源・冷却設備の仕様、受注に伴う人員や資金の負担から、投資が具体的な仕事になるまでをたどる。
2026年10月8日(木) 07:00(タイ時間)公開予定
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